台湾初の国産潜水艦「海鯤(ハイクン)」が進水!そうりゅう型との共通点は?

台湾線潜水艦就航
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台湾潜水艦
出典元:ミレポ
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台湾は中国に対抗するため、潜水艦をはじめとする艦艇の国産化を推進

台湾が初めて自主建造した国産潜水艦「海鯤(かいこん)」の進水式が9月28日、蔡英文総統同席のもと、台湾南部の高雄にある造船所で行われました。海鯤は日本のそうりゅう型潜水艦と似た「X」舵を持ち、中国に対する抑止力として期待されています。

台湾は現在、オランダ製とアメリカ製の旧式の潜水艦4隻を運用していますが、老朽化が激しく、中国海軍に対応できる能力を持ち合わせていません。海外からの購入も中国からの圧力で難しく、そこで、潜水艦の国産化を図る国産防衛潜水艦(IDS) プログラムを2017年に発足させました。そして、今回、建造を終え、進水という大きなマイルストーンを達成することができました。

海鯤は今後、約1年半の試験を経て、2024年12月に海軍に引き渡される予定です。さらにもう1隻も建造中で、2027年までに新造の潜水艦2隻を配備し、4隻体制となる見込みです。

台湾の艦艇国産化は潜水艦だけではありません。台湾は中国の軍事圧力に対抗するために、潜水艦以外にも、ドック型輸送揚陸艦やコルベット艦などの艦艇の国産化を急速に進めています。これらの艦艇は機動性や火力などに優れ、非対称戦の戦略に沿った装備となっています。

昨年6月には台湾最大の艦艇となる排水量1万トン超えの玉山級ドック型輸送揚陸艦の一番艦「玉山」が就役しています。玉山級はヘリコプターや水陸両用車両などを搭載でき、台湾の離島や南シナ海の島々への兵員や物資の輸送に活用できます。

2015年には国産の沱江級コルベット艦こと沱江級巡邏艦が就役しました。沱江級は全長60m、排水量567トンの小型のコルベット艦です。この船は2つの船体を甲板でつないだ高速双胴船になり、波浪貫通型双胴船(Wave Piercing Catamaran:WPC)という設計で、最大速度44ノット(81km)です。主に東シナ海における対中国を念頭に開発されました。

「この日を永遠に忘れない」蔡英文総統は、世界に向けてアピール

台湾総統
出典元;BBC

台湾の国防自主は、中国の軍事圧力に屈しない台湾の意志の表れであり、日本やアメリカなどの友好国からも支持や協力を受けています。蔡英文総統は、国産潜水艦の進水式で「この日を永遠に忘れない」とスピーチしました。

蔡政権は、中国の軍事圧力を念頭に必要な防衛装備を自前で調達する「国防自主」を掲げており、同潜水艦もその目標の一環として建造されました。

なお、初の自前艦となる潜水艦の名前は「海鯤(ハイクン)」で、神話上の巨大な魚にちなんでつけられたそうです。 ディーゼル発電式の通常動力の潜水艦となり、艦尾の舵が海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦のように「X」舵になっているのが特徴です。蔡総統はこれまで、独自開発の潜水艦建造は不可能と言われていたことに触れ、「我々は成し遂げた」と話しました。

同艦はこれからいくつかのテストを経て、2024年末までに海軍に引き渡される予定とのことです。さらにもう1隻も建造中で、2027年までに現在運用中でオランダ製の海龍級潜水艦2隻に加え、新造の潜水艦2隻を配備し4隻体制となる見込みです。

蔡英文総統は、潜水艦生産計画は台湾の海上を守る重要な力であると述べました。また、日本やアメリカなどの友好国からの支援に感謝し、台湾との安全保障の連携を強化することを期待したということです。台湾の国産潜水艦の進水式には、日本の駐台湾代表処の鈴木啓介代表やアメリカの在台協会のウィリアム・ブレント・クリステンセン代表など、多くの外国の代表者が出席しました。これは、台湾の国防自主に対する国際社会の支持の表れと言えます。

台湾の国産潜水艦「海鯤」は、中国の軍事的挑発に対する台湾の決意と能力を示す象徴となりました。台湾は今後も、自らの防衛力を高めるとともに、民主的な価値観を共有する国々との連携を深めていくでしょう。

台湾の国産潜水艦計画に日本の技術はどう関わるのか?

台湾は、中国の脅威に対抗するために、自らの手で国産潜水艦(IDS)を建造することを決めた。しかし、潜水艦は最先端の技術が必要な兵器であり、台湾にはそのノウハウがない。そこで、米国や日本などの友好国からの協力を求めることになるが、それは簡単なことではない。日本の潜水艦技術は世界最高レベルであり、台湾にとっては魅力的なものだが、日本は中国との関係を損なうことを恐れて、台湾に直接的な支援をすることはできない。では、日本の技術はどのように台湾の国産潜水艦計画に関わるのだろうか?

日本の潜水艦技術の特徴と価値

日本の潜水艦技術は、以下の点で世界に誇れるものである。

  • 静粛性:日本の潜水艦は、非核動力でありながら、核動力潜水艦に匹敵する静粛性を持つ。これは、推進システムや船体の設計に優れた技術があるからだ。静粛性は、潜水艦の生命線であり、敵に発見されないことが重要である。
  • 機動性:日本の潜水艦は、高速で長距離を航行できる。これは、空気独立推進(AIP)システムを搭載しているからだ。AIPシステムは、潜水艦が水中で酸素を生成して燃料を燃やすことを可能にする技術であり、潜水艦の航続距離や潜航時間を大幅に延ばすことができる。
  • 武装:日本の潜水艦は、多様な兵器を搭載している。これは、潜水艦発射型巡航ミサイル(SSM)や魚雷などの自国開発の兵器に加えて、米国から導入したハープーンミサイルやMk48魚雷などの先進的な兵器を装備しているからだ。潜水艦は、敵の艦艇や基地を攻撃することができる。

日本の潜水艦技術は、台湾にとっては非常に魅力的なものである。台湾は、中国の海軍力の増強に対抗するために、自らの海軍力を強化する必要がある。特に、中国の核動力潜水艦や空母などの大型艦艇に対抗するためには、潜水艦が有効な兵器である。台湾は、現在、米国から購入した4隻の旧式の潜水艦と、オランダから購入した2隻の中古の潜水艦を保有しているが、これらは老朽化しており、性能も低い。台湾は、新しい潜水艦を建造することで、自らの海軍力を向上させたいと考えている。

日本の潜水艦技術の提供の可能性と困難

日本の潜水艦技術は、台湾にとっては魅力的なものであるが、日本は台湾に直接的な支援をすることはできない。その理由は、以下の通りである。

  • 政治的な問題:日本は、中国との関係を重視しており、台湾との関係を公にすることは避けている。日本は、台湾との間に正式な外交関係を持たないし、台湾に武器を売ることもしない。日本が台湾に潜水艦技術を提供することは、中国の反発を招き、日中関係に悪影響を及ぼすことになる。日本は、中国との経済的なつながりや安全保障上の課題を考えると、台湾との関係を犠牲にすることはできない。
  • 経済的な問題:日本の潜水艦技術は、日本の潜水艦建造メーカーである三菱重工業や川崎重工業などの貴重な資産である。これらのメーカーは、中国や中国の影響下にある国々とのビジネスも行っており、台湾に潜水艦技術を提供することは、それらのビジネスを失うことになる。台湾に潜水艦技術を提供することは、メーカーにとっては大きな損失になる。
  • 法的な問題:日本の潜水艦技術は、最高の軍事機密であり、厳重に管理されている。日本の潜水艦建造メーカーは、潜水艦技術や関係者に関する情報を漏らすことは絶対にできない。潜水艦技術の情報漏洩は、メーカーの信用やビジネスに大きな打撃を与えるだけでなく、日本の安全保障にも重大な危険をもたらすことになる。日本の法律では、潜水艦技術の輸出は禁止されており、違反すれば刑事罰が科せられる。日本は、台湾に潜水艦技術を提供することは、法的にもできない。

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日本の潜水艦技術の提供の代替案

台湾は、日本の潜水艦技術を直接的には得られないとしても、間接的には得られる可能性があると考えている。そのために、台湾は以下のような代替案を検討している。

  • 第三国の仲介:台湾は、日本との間に正式な外交関係を持たないが、日本と友好的な関係にある第三国とは外交関係を持っている。台湾は、そのような第三国を通じて、日本の潜水艦技術を間接的に入手することができないかと考えている。例えば、オーストラリアは、日本との間に潜水艦の共同開発を検討していたことがある。台湾は、オーストラリアとの間に潜水艦の協力を進めることで、日本の潜水艦技術の一部を得ることができるのではないかと期待している。
  • 個人の協力:台湾は、日本の潜水艦建造メーカーから直接的に技術を得ることはできないが、個人的なレベルでの協力は得られる可能性があると考えている。例えば、日本の潜水艦建造メーカーを退職した技術者や研究者などが、台湾の国産潜水艦計画に参加することができないかと探っている。台湾は、そのような個人に対して、高額の報酬や優遇措置などを提示することで、日本の潜水艦技術の一部を得ることができるのではないかと期待している。
  • 公開情報の活用:台湾は、日本の潜水艦技術の全てが秘密にされているわけではないと考えている。日本の潜水艦技術の一部は、公開されている文献や報道などから入手することができると考えている。台湾は、そのような公開情報を集めて分析することで、日本の潜水艦技術の一部を得ることができるのではないかと期待している。

以上のように、台湾は日本の潜水艦技術を得るために、様々な代替案を検討している。しかし、これらの代替案には、それぞれに問題やリスクがある。第三国の仲介は、日本や第三国の政治的な判断に左右されるし、個人の協力は、法的な問題や情報の信頼性に疑問がある。公開情報の活用は、技術の一部しか得られないし、時代遅れのものかもしれない。台湾は、日本の潜水艦技術を得ることは、容易なことではないと認めざるを得ない。

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台湾の国産潜水艦計画に中国が激怒、日米はどう対応するのか?

台湾と中国の覇権争い
出典元:Yahoo

中国外務省の毛寧副報道局長は、9月28日の記者会見において、台湾が自らの潜水艦を建造する計画に対して激しい反発を示しました。彼は、「中国と台湾の対立を生み出し、台湾海峡の平和を破壊する」と述べ、台湾の防衛力強化の動きに懸念を抱いています。民主進歩党(民進党)の蔡英文政権は、中国の軍事圧力を念頭に「国防自主」を掲げ、潜水艦建造を中核と位置づけています。

中国国防省の呉謙報道官も28日の記者会見で、「身の程知らずだ。台湾当局がどれだけ武器を作り、購入しても、祖国統一は阻めない」と台湾側を威嚇しました。彼は台湾の取り組みを強く非難し、中国と台湾の緊張関係を一層高めることに警戒感を示しています。

毛氏はさらに、「民進党は台湾の独立と分裂の立場を堅持している」と主張しました。彼は台湾が武器購入に多額の費用を費やしていることに対しても批判的であり、「台湾の人々の血と汗による金を湯水のように武器購入に使っている」と指摘しました。

このような中国の反発は、台湾と中国の関係に新たな緊張をもたらす可能性があります。台湾の潜水艦建造計画は、台湾の国家安全保障に直結する重要な取り組みであり、両国の対立を一層深めることが懸念されています。台湾政府は中国の脅威に対抗し、自らの国防力を強化するために潜水艦建造を中心に据えていますが、その一方で中国は台湾の独立を認めず、統一を求める姿勢を堅持しています。

中国の反発と威嚇

中国は、台湾が自らの潜水艦を建造する計画に対して激しい反発を示した。中国外務省の毛寧副報道局長は、9月28日の記者会見において、「中国と台湾の対立を生み出し、台湾海峡の平和を破壊する」と述べた。彼は、「民進党は台湾の独立と分裂の立場を堅持している」と主張し、台湾が武器購入に多額の費用を費やしていることに対しても批判的です。

中国国防省の呉謙報道官も28日の記者会見で、「身の程知らずだ。台湾当局がどれだけ武器を作り、購入しても、祖国統一は阻めない」と台湾側を威嚇した。彼は台湾の取り組みを強く非難し、中国と台湾の緊張関係を一層高めることに警戒感を示しています。

中国は、台湾の独立を認めず、統一を求める姿勢を堅持している。中国は、台湾の防衛力強化の動きを、中国の主権と領土の侵害と見なしている。中国は、台湾に対して軍事的な圧力をかけるとともに、台湾と関係を持つ国々に対しても外交的な圧力をかけている。中国は、台湾の国産潜水艦計画を阻止するとしています。

台湾の国防自主と日米の支援

台湾の潜水艦建造計画は、台湾の国家安全保障に直結する重要な取り組みである。台湾は、中国の核動力潜水艦や空母などの大型艦艇に対抗するために、潜水艦が有効な兵器であると考えている。台湾は、潜水艦を通じて、中国の海上封鎖や侵攻に対抗し、台湾海峡の平和と安定を守ることができると期待している。

台湾の潜水艦建造計画には、日本やアメリカなどの関係国の支援が不可欠である。台湾は、潜水艦の設計や技術、部品や装備などについて、友好国からの協力を求めている。特に、日本の潜水艦技術は世界最高レベルであり、台湾にとっては魅力的なものである。しかし、日本は中国との関係を損なうことを恐れて、台湾に直接的な支援をすることはできない。台湾は、日本の技術を得るために、様々な代替案を検討している。

アメリカは、台湾に対して武器を売ることはできるが、台湾の国産潜水艦計画に直接関与することはできない。アメリカは、中国との関係を重視しており、台湾との関係を公にすることは避けている。しかし、アメリカは、台湾の自主防衛に対する支援や安全保障協力を強化する方向に動いている。アメリカは、台湾に対して、潜水艦の部品や装備、訓練や整備などの技術協力を提供することを検討している。

まとめ

台湾は、中国の脅威に対抗するために、自らの手で国産潜水艦(IDS)を建造することを決めた。これに対して、中国は強く反発し、台湾の防衛力強化の動きに懸念を抱いている。台湾の潜水艦建造計画は、台湾と中国の対立を一層深めることが懸念されている。日本やアメリカなどの関係国もこの問題に敏感であり、台湾の自主防衛に対する支援や安全保障協力を強化する方向に動いている。今後の展開に注目が集まっているます。

日本の技術を台湾の国産潜水艦に提供するための秘策として、アメリカに潜水艦設計会社を設立するというアイデアがあるが、このアイデアには、実現可能性や効果に疑問がある。アメリカに潜水艦設計会社を設立するというアイデアは、政治的、経済的、技術的にも問題が多く、容易なことではない。台湾は、日本の潜水艦技術を得ることは、容易なことではないと認めざるを得ない。

この問題は地域の安定にも大きな影響を及ぼす可能性があります。地域の平和と安定を守るためには、冷静な対話と協力の努力が不可欠です。私たちは、この問題について国際的な対話と協力を促進することが重要です。両国間の対立を緩和し、平和と安定を確保するために、建設的な解決策を模索する必要があります。

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