満州アヘンスクワッド実在モデルは？時代背景？今後の展開？最新刊13巻を読む

2023年7月30日2024年1月8日

序章

「満州アヘンスクワッド」は日本の漫画作品で、原作は門馬司、作画は鹿子による作品です。

昭和初期の満州を舞台に、アヘンの密売を描くクライムサスペンス漫画（原作／門馬司、漫画／鹿子）。ウェブ連載のコミックDAYSから週刊ヤンマガへ移籍（2021.09.13）が発表され、話題を呼びました。

物語は第二次世界大戦前の満洲国を舞台としています。主人公の日方勇が、ヒロインの麗華らと共に阿片の密造に手を染める姿を描いたクライム・サスペンス作品です。

実在のモデルはいません。当時の満州国の情勢を検証して門馬司が新聞社のインタビューで回答しています。

時代の背景

物語は昭和12年（1937年）から昭和18年（1943年）までの約6年間を描いています。この時期は、日本が満洲国を建国し、関東軍や満蒙開拓義勇軍を派遣して支配していた時代でした。満洲国は、日本の傀儡国家として批判される一方で、多民族・多文化・多宗教の国家としても知られています。

主人公

主人公の日方勇は、関東軍として満洲国に移住してきた貧乏兵士でした。彼は察哈爾での軍事演習中に片目を失い、前線から満蒙開拓義勇軍への転属となりました。そこでペストに罹った母親の命を救うために阿片作りに手を出してしまいます。それがきっかけで、彼は激動の人生を歩むこととなります。

ヒロイン

ヒロインの麗華は、中国の秘密結社「青幇」の首領の一人である杜月笙の娘です。彼女は自身が根城とする青幇のアジトに阿片の取引のために尋ねて来た勇が提供した純度の高い阿片を「真阿片」と名付け、勇と手を組んで阿片の密造および販売網の形成を企図します。

「満州アヘンスクワッド」は、このように、満洲国時代における阿片密造の世界を描いた作品です。日中戦争という大きな社会的背景の中、主人公たちは様々な困難に立ち向かいながら、阿片密造の世界に足を踏み入れていくのです。

登場人物

バータル：彼はモンゴル人であり、元関東軍兵士であった。彼は、勇と同じく満蒙開拓義勇軍に所属していた。彼は麗華に惚れており、彼女に従って阿片ビジネスに参加することに決めた。阿片ビジネスは彼にとって非常に魅力的であり、彼は自分が得意であることを生かして、より多くの利益を得られるようにしていた。彼は、麗華と一緒にビジネスを行うことで、彼女との絆を深めることができた。ビジネスの成功により、彼はより多くの富を手に入れることができ、彼の人生が豊かになった。

キリル：ロシア人。元白軍兵士である彼は、現在は哈爾濱で自動車修理工場を営んでいる。彼は、過去に多くの戦争で戦い、その経験を生かして自動車修理の仕事をしている。彼は、強い信念を持ち、自分の仕事に誇りを持っている。彼は、バータルとは古くからの友人であり、彼から頼まれて勇たちに協力することになった。彼は、自分の技術と知識を活かして、勇たちが困難に直面した場合に役立てることができる。彼は、勇たちが成功することを望んでおり、どんな時でも全力で彼らをサポートする。

李静：中国人。元青幇の幹部である主人公は、幼馴染の麗華と深い仲でした。しかし、麗華が阿片ビジネスを始めたことで、主人公たちは対立しました。主人公は、紅幇と手を組み、麗華を裏切ることに決めました。その後、主人公は自分の選択に苦しみ、麗華との関係について考え始めました。彼は、自分が裏切りを犯したことを後悔しつつも、麗華との友情を取り戻す方法を模索することになります。彼は、麗華に対して謝罪し、自分が紅幇と手を組んだ理由を説明しました。最終的に、麗華は主人公を許し、2人は再び友情を取り戻す。

春鈴：中国人。彼は元青幇構成員であり、麗華に忠誠を誓っている。勇に好意を持っており、彼を助けるために何度も危険な行動に出ている。彼は、麗華と勇の関係を陰から支えることが多く、そのために、彼らの関係を深めるためのアイデアを提供したり、彼らにとって有益な情報を集めたりすることがある。また、彼は自分自身の過去についても語ることがあり、彼がなぜ青幇を離れたのかや、麗華に忠誠を誓った理由などについて話すことがある。彼は、自分がかつて所属していた青幇の内情に詳しく、その知識を活かして、麗華や勇を危険から救うために奮闘している。

宋蘭玉：中国人。紅幇の首領。麗華にとって最大の敵であり、阿片の密造と販売を独占しようとしています。彼女は非常に緻密な組織を持っており、勇たちを執拗に追いかけています。しかし、その組織は彼女の野望によって弱点があります。彼女は貪欲で、時には自己中心的であるため、彼女の部下たちは彼女の命令に疑問を抱くことがあります。また、彼女は常に新たな敵との戦いに直面しており、彼女の支配力は弱体化しつつあります。

作者について

原作の門馬司さんは、1989年生まれの33歳です。小説家としても活動しており、『満州アヘンスクワッド』は彼のデビュー作です。作画の鹿子さんは、1988年生まれの34歳です。漫画家としては『ハイキュー!!』や『進撃の巨人』などのアンソロジーコミックに参加していた経歴があります。

門馬司さんは、小説において、日本の戦争犯罪問題を描いた『満州アヘンスクワッド』を発表しました。また、彼は、自身の体験からインスパイアを受け、作品を執筆することが多いことが知られています。一方、作画の鹿子さんは、人気漫画『ハイキュー!!』や『進撃の巨人』のアンソロジーコミックに参加するなど、幅広い作品に携わってきました。彼女は、緻密なタッチと表情豊かなキャラクター描写で知られています。

掲載元のコミック

『満州アヘンスクワッド』は、講談社のウェブコミックサイト『コミックDAYS』で2020年4月から2021年9月まで連載されました。その後、『週刊ヤングマガジン』に移籍し、2021年9月から連載再開されています。単行本は現在13巻まで発売されており、累計発行部数は180万部を突破しています。

アニメ化

アニメ化の話についてですが、現在はまだ公式に発表された情報はありません。しかし、漫画の人気や話題性から考えると、アニメ化の可能性は高いと思われます。もしアニメ化されるならば、歴史的な背景や社会的な問題を扱っていることから、深夜枠やネット配信などの形態が考えられます。

今後の展開

上海編が進行中である現在、物語は様々な展開を見せています。麗華は紅幇との対立を継続しながら、真阿片を広めるために煙館を開業しました。勇は紅幇に捕らわれ、宋蘭玉に拷問されている状況にあります。しかし、これらの展開から先の物語の展開がどのようになるのかはまだ分かりません。

李静は、宋蘭玉に裏切られた末に死亡しましたが、その直前に勇に銃を渡して反撃する機会を与えました。勇が宋蘭玉を倒すか逃げ出すかする可能性が高いと思われますが、それだけでは物足りない展開になるかもしれません。麗華も勇を助けるために動くことが予想されますが、彼女がどのような行動をとるかはまだ分かりません。

上海での戦いは、紅幇だけでなく、青幇や日本人会なども絡んでくるため、物語はまだまだ続くことが予想されます。これらの勢力の対立や衝突が、物語に深みを与えることが期待されます。

また、物語は時代背景を反映しており、日中戦争や満洲国の建国といった歴史的な出来事が物語の背景に存在しています。これらの出来事が、人物たちの行動や物語の展開に影響を与えることが期待されます。

一方で、登場人物たちの内面にも深い描写がなされています。主人公たちは様々な困難に直面しながら、阿片密造の世界に足を踏み入れていくことになります。それぞれが、自分自身や周りの人々との葛藤や苦悩を抱えながら、物語を進めていくことになります。

また、原作者やイラストレーターの経歴や作品についての情報も、物語を読むうえで興味深い要素となっています。彼らがこれまでに手がけてきた作品から、今後の物語の展開や、作風などを予想することもできます。

つまり、『満洲アヘンスクワッド』は、その展開や描写、背景といった様々な要素から、読者を引き込む魅力的な作品となっています。今後の展開に注目しながら、物語を読み進めることが楽しみです。

満州アヘンスクワッドの魅力

歴史的な事実や資料に基づいて描かれている点。満洲国や阿片というテーマは現代ではあまり知られていないものですが、作者は丹念な調査や取材を行っており、作品にリアリティや信憑性を与えています。
クライム・サスペンスとしての面白さ。主人公たちは阿片ビジネスで成り上がろうとしますが、それゆえに様々な敵や危機に直面します。紅幇や青幇などの中国の秘密結社、日本の関東軍や満蒙開拓義勇軍、ロシアの白軍や赤軍など、多彩な勢力が入り乱れる中で、主人公たちは知恵と勇気と策略で生き残ろうとします。読者は、彼らの波乱万丈な人生にハラハラドキドキしながら、次々と起こる展開に引き込まれます。
人間ドラマとしての深み。主人公たちは、阿片ビジネスだけでなく、自分たちの過去や家族や恋人との関係にも苦悩します。勇は、母親の死や片目の失明などのトラウマを抱えており、麗華に対しても複雑な感情を持っています。麗華は、父親の死や李静の裏切りなどのショックを受けており、勇に対しても信頼と疑念を抱いています。バータルは、麗華に想いを寄せており、勇とは友情と嫉妬で揺れ動いています。キリルは、ロシア革命で家族を失っており、自分の居場所を探しています。春鈴は、勇に恋心を抱いており、麗華とは友情と敵対で悩んでいます。宋蘭玉は、阿片ビジネスで成功したものの、孤独と虚無感に苛まれています。これらの登場人物たちは、それぞれに人間的な弱さや葛藤を持っており、読者は彼らに感情移入したり共感したりすることができます。
作画としての美しさ。作画担当の鹿子さんは、満洲国や上海などの風景や建物を細かく描き込んでおり、当時の雰囲気を再現しています。また、登場人物たちも個性的で魅力的に描かれており、表情や仕草から感情が伝わってきます。特に阿片を吸うシーンや戦闘シーンは迫力があります。