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今回は、人気漫画『葬送のフリーレン』に登場する魔族の最強の存在である黄金郷のマハトについて紹介したいと思います。マハトは、魔王の配下であった七崩賢の最後の生き残りであり、万物を黄金に変える魔法や呪いの使い手です。彼は、人類との共存を夢見ながらも、人類を殺戮する日々を送ってきました。しかし、彼の運命は、ある神父との出会いや、ヴァイゼの領主グリュックとの交流、そして弟子であるデンケンとの対決によって大きく変わっていきます。この記事では、マハトの概要や人物像、経歴や黄金郷の真相などを詳しく解説していきます。
黄金郷のマハトとは？
黄金郷のマハトとは、『葬送のフリーレン』の登場人物であり、本作の敵である魔族の一人です。紫の髪を長く伸ばし、頭頂部から大きな角を二本生やした魔族の男です。魔王直属の幹部『七崩賢』の一角にして最強の名を欲しいままにする大魔族であり、得意とする魔法から『黄金郷のマハト』の異名で呼ばれます。
彼は、防御や解除が不可能な「呪い」や、万物を黄金に変える魔法（ディーアゴルゼ）の使い手です。また、携帯する衣服を武器に変化させて戦闘に用いることもできます。魔族としては穏健派で戦いを好まないと言いますが、一級魔法使いを含む精鋭魔法使いの集団を一瞬で皆殺しにするなど桁外れの圧倒的な戦闘能力を誇ります。また、600年前にフリーレンを負かしたことがあります。今のフリーレンでさえ匙を投げるほどの凄まじい実力を持ち、七崩賢で最強とされます。昔、自身が滅ぼしたある村の神父との出会いが切っ掛けで人類を理解したいと思うようになります。人類が持つ「悪意」や「罪悪感」と言う感情を理解したいと考え、「人類との共存」を願いながら、人類を殺戮する日々を送ってきました。
紆余曲折を経て80年ほど前にヴァイゼの領主グリュック家のお抱えの魔法使いになり、幼少時のデンケンに魔法を教えました。また、60年前「支配の石環」を使った領主より「ヴァイゼの民とその子々孫々に仕えること」と「ヴァイゼの民に悪意を持った行いをしてはならないこと」を命じられました。
グリュックとの主従関係は30年間にも及びましたが、「悪意」や「罪悪感」の概念を理解する目的で最後はヴァイゼもろともグリュックを黄金化しました。その後にゼーリエと戦うが軽くあしらわれ、同行していたレルネンら一級魔法使い達が作った大結界により黄金郷内に封印されました。
その後、ソリテールの手により黄金郷の大結界から解放され、かつての弟子であったデンケンと戦うことになります。 戦いではデンケンを圧倒しましたが、気を取られた隙に攻撃を受けて致命傷を負いました。瀕死の状態でグリュックとの再会を果たした後、追いすがるデンケンにとどめを刺されて死亡しました。
マハトの人物像？魔族像？
マハトの人物像を推察します。マハトは、力と殺戮を好み、欲望のままに勢力を拡大しようとする者の多い魔族の中では珍しく大人しい性格です。無益な争いも好まず、「穏健派」を自称します。それと同時に「人間好き」を公言し、「人間と共存したい」という夢を掲げるとんでもない変わり者でもあります。
しかし他の魔族がそうであるように、マハトもまた人間を殺したり食べたりすることに抵抗感を抱くことはなく、思いやりや罪悪感、悪意といった感情を持つこともありません。魔族にとって人間を殺すのは、人間が三大欲求を満たすのと同じ「ごく普通のこと」なのです。
マハト本人は人間の価値観を理解したがっているのですが、なにせ元の感性が魔族のそれなので、（他の魔族に比べれば有情だが）時として残酷な対応を取ることもあります。
現在の彼は「結界の中に入り込んでくる人間は容赦なく殺害するが、自分から人間を襲いに行くことはない」というスタンスです。侵入してきた人間は残虐な方法で殺害してから黄金化するが、これは本人曰く「こうしとくと後から来た人間がビビッて引き返すだろう」「というかこっちも殺したくないし入ってこないでね」との理屈らしいです。
マハトの経歴
マハトの経歴を続けてみましょう。マハトは、魔王の命令を受け、とある村を襲った時のことです。いつも通りに住民を全滅させたのですが、その際神父から「悪意や罪悪感はないのか」と責められます。それ自体はいつもの命乞いと聞き流したものの、その態度を見た神父は「魔族にそうした感情はない」のだと理解します。マハトに対する哀れみの言葉とともに命を落としました。名も知れぬこの神父の言葉が、マハトの運命を大きく動かすこととなります。「哀しみ」「恐怖」「怒り」―――これらの感情は言葉としても知っているし、魔族であるマハトにも理解できます。
しかし「悪意」や「罪悪感」は魔族が抱くことのない感情であり、マハトにもまったく理解できません。これをきっかけとして、マハトの心に変化が生まれました。人間を知りたい、理解したいと思いました。そして「「相手を理解したい」という思いは「好意」という感情に違いない」と考えたマハトは、自らが「人類を好きになった」と認識します。そうした考えのもと、マハトは人間を知るための「実験」に着手しました。
まるで小学生が「昆虫が好き」といいつつも虫相撲をさせたり手足をちぎったり、世話をサボったりするのと同じように、人間を理解するため、人間を殺したり脅迫などで人間同士を殺し合わせる等の非道かつ残虐な試みは繰り返されました。そんなある日。一組の幼馴染の男女を目の前で殺し合わせながら、マハトはひとつの結論に思い至りました。何も知らない人間を殺したところで、罪悪感など抱けるわけもない。「悪意」や「罪悪感」を学ぶためには、特定の人間と仲良くなったうえで殺す必要がある、と。そして彼は北部高原の城塞都市、ヴァイゼに足を向けました……。
マハトの黄金郷の真相
マハトの黄金郷の真相を見ていきましょう。城塞都市ヴァイゼへの道すがら。マハトはたまたま見つけた貴族の馬車を襲撃し、配下の戦闘員を皆殺しにします。しかし、命運尽きかけた貴族の男―――グリュックは、怯える様子もなく手元の煙草に火を点けました。
生臭さはないのに、人殺しの眼をした人間。そんなグリュックにマハトは強い興味を持ちました。きっと魔族おまえたちは”悪”という概念自体がわからないんだろうな。その方が幸せだ。グリュックはヴァイゼの領主を務めているが、実権は他の一族に握られており、事実上お飾りの立場でしかなかった。汚職の蔓延によって法は意味を成さず、民の多くが飢餓で命を落としている。……そして、そんな現状を変えようとしたグリュックの息子は、他の貴族によって暗殺されてしまった。グリュックはマハトに交渉を持ちかけました。
自分ほど人の悪意に触れてきた人間はそういない。だからこそ、マハトの知らない感情を教えてやることができる。ヴァイゼの実権を握っている一族の粛清を対価とし、人間と魔族の交渉は妥結に至りました。マハトはグリュックの命に従い、敵対する貴族たちを次々と葬りました。マハトはグリュック家お抱えの魔法使いに任じられ、表舞台でも活動するようになりました。魔族には人を信頼させ、欺く力があります。皮肉にもその力は、マハトが貴族社会で生きていくうえでの絶大な助けとなりました。時には魔法の指南役として、時には魔族の残党から都市を守る用心棒として、マハトはヴァイゼの貴族社会を如才なく立ち回りました。
……そんなある日、北部高原最北端の城塞都市が魔族に落とされたとの情報が入ります。恐れ戦く住民の声を味方につけ、貴族たちはグリュックにひとつの要求を出しました。それは、マハトの手に『支配の石環』を嵌めることでした。『支配の石環』とは、賢者エーヴィヒが造り上げた魔導具で、魔物の心を操る効果を持つ腕輪です。これをマハトの腕に嵌め、ヴァイゼの民に悪意を抱けないよう制御するのです。
理不尽とも思える要求に、グリュックは嘲るような表情を見せました。前述のようにマハトには悪意という感情がわからない。つまり貴族たちの言う条件で『支配の石環』を嵌めたとしても、何の効力も発揮しないのです。マハトは口元に僅か笑みを浮かべ、恭しく頭を下げました。……それからいくらかの時が流れ、グリュック家にも悲しき変化が起こりました。グリュックの愛娘、レクテューレが病で命を落とし、婿養子のデンケンもヴァイゼに寄り付かなくなってしまいました。グリュックはすっかり消沈し、娘の墓参りを日々の慰めとするようになりました。かつての意気はもはやなく、立ち上がるにもマハトの介護が必要なほど弱り切っていました。
そんなグリュックに付き添いながら、マハトはついに決断を下した。貴方と出会い過ごした時間は私にとって掛けがえのないものだと考えております。だから、その全てをぶち壊そうと思いました。マハトの足元から広がる、黄金の煌めき。悪意を、罪悪感を知るための、取り返しのつかない選択。グリュックはいつかのように煙草を取り出し、マハトに火を点けるよう願った。楽しかったよ、マハト。ええ、私もです。グリュック様。
―――そして、城塞都市は黄金郷へと姿を変えた。
マハトは、自分の魔法で黄金に変えたものを「黄金郷」と呼びます。彼は、黄金郷を自分の領土として主張し、人間を黄金に変えることで自分の力を示そうとしました。
しかし、彼はただの殺人鬼ではありませんでした。彼は、人間と仲良くなり、人間の感情を理解しようとしていました。そのために、彼はヴァイゼの領主であるグリュックと交渉を持ちかけました。グリュックは、マハトの力に興味を持ち、彼を自分の魔法使いとして雇いました。
マハトは、グリュックの命令に従い、ヴァイゼの敵対する貴族たちを次々と黄金に変えました。マハトは、グリュックの娘レクテューレや、婿養子のデンケンとも親しくなりました。デンケンは、マハトから魔法を教わり、彼の弟子となりました。マハトは、人間の暮らしや感情に触れることで、少しずつ人間を理解し始めました。しかし、彼はまだ「悪意」や「罪悪感」を抱くことができませんでした。
彼は、自分の行動が人間にとってどのような意味を持つのか、どのような反応を引き起こすのか、を知りたかったのです。そして、彼は最後の実験を行うことにしました。それは、自分が最も親しい人間であるグリュックを殺すことでした。彼は、グリュックに対する「好意」を「悪意」に変えることができるのか、グリュックを殺した後に「罪悪感」を感じることができるのか、を確かめるために、彼を黄金に変えました。
しかし、彼はその結果に満足することはありませんでした。彼は、グリュックを殺したことで何も感じなかったのです。彼は、自分が人間とは違う存在であることを悟りました。彼は、自分の夢であった「人類との共存」を諦めました。彼は、自分の黄金郷に閉じこもり、人間との関わりを断ち切りました。彼は、自分の寿命が尽きるまで、黄金郷を広げ続けました。それが、マハトの黄金郷の真相です。
マハトとデンケンの対決
彼は、フリーレン一行とともに、黄金郷に侵入しました。そこで、彼はかつての師であり、かつての仇であるマハトと対峙しました。マハトは、デンケンを見て喜びました。彼は、デンケンに対する「好意」を「悪意」に変えることができたと思いました。
彼は、デンケンを殺すことで「罪悪感」を感じることができると期待しました。彼は、デンケンとの戦いを楽しみました。しかし、デンケンは、マハトに対する「憎悪」を「冷静」に変えることができました。彼は、マハトを倒すことで「解放」を得ることができると信じました。彼は、マハトとの戦いを避けませんでした。
戦いは、マハトの圧倒的な優位で進みました。しかし、デンケンは、マハトに対する「恐怖」を「勇気」に変えることができました。彼は、マハトを倒すことで「正義」を果たすことができると決意しました。彼は、マハトとの戦いを諦めませんでした。
マハトは戦いでデンケンを圧倒しますが、気を取られた隙に攻撃を受けて致命傷を負います。瀕死の状態でグリュックとの再会を果たした後、追いすがるデンケンにとどめを刺されて死亡します。戦いは、デンケンの奇跡的な逆転で終わりました。
まとめ
以上が、『葬送のフリーレン』に登場する黄金郷のマハトについての紹介でした。マハトは、魔族の最強の存在でありながら、人類との共存を夢見るという矛盾したキャラクターです。彼は、人間の感情を理解しようとして、人間を殺したり、人間と交流したりしましたが、結局は自分とは違う存在であることを悟りました。
彼は、自分の黄金郷に閉じこもり、人間との関わりを断ち切りました。彼は、自分の寿命が尽きるまで、黄金郷を広げ続けました。彼は、人間と魔族の間にある深い溝を象徴するキャラクターでもあります。彼の物語は、悲しくも美しいものでした。この記事が、マハトの魅力を伝えることができたら幸いです。それでは、また次回の記事でお会いしましょう！